1.起源と歴史 2.近代の瞽女 3.民間信仰 4.瞽女仲間の組織 5.近代の越後瞽女
6.諸国の瞽女 7.修業 8.旅回り 9.瞽女唄 (1)口説の演目 (2)段物の演目
(3)雑歌 (4)その他 10.その他 11.史料
→掲載項目の詳細はこのHPの「越後瞽女」のページを参照して下さい。
次のような内容で構成されています。
第一章 高橋お伝の罪科と当時の物語 ―「毒婦」の成立と展開―
一 鬼神のお松 二 姐妃のお百 三 毒婦の成立
第二章 毒婦小説と江戸文化のなごり
一 物語の毒婦から新聞報道による現実の毒婦へ 二 鳥追お松 三 夜嵐お衣 四 歌舞伎役者がかかわった事件 五 新聞錦絵の報道 六 戯作者と小新聞の記者
第三章 物語の創作方法
一 迅速な出版 二 「一夜付」の方法
第四章 お伝の新聞報道と裁判所の関係者糺問
一 用意されていた「毒婦お伝」の物語 二 事件直後の大新聞「雑報」欄での報道
三 生への執着 四 熊谷裁判所の関係者取り調べによるお伝の足取り
第五章 お伝の供述
一 お伝の供述内容 二 裁判所の判決 三 お伝の供述の物語性 四 仇討物語
第六章 お伝の供述と物語
一 登場人物の自叙と物語 二 波之助の難病と死をめぐって 三 刑場のお伝 四 小説のなかのお伝
第七章 お伝の虚像と実像
一 上州人という観念 二 毒婦か才女か 三 素顔のお伝
終 章 お伝の最期
次のような内容で構成されています。(独立行政法人日本学術振興会の2019年度研究成果公開促進費による出版です。)
一 花儿(ホワール)とは
1.二系統の花儿
2.洮岷花儿
(1)南路と北路 (2)花儿の源流
(3)漢族の移住と花儿 (4)既婚者の歌掛け
二 洮岷花儿
1.今も生きる歌掛けの習俗 2.演唱の実態
3.演唱方法 4.歌詞の形式―押韻、慣用句、定型詩―
5.比喩表現 6.物語性(虚構性)
7.北路洮岷花儿 ―蓮花山花儿―
三 花儿と民間信仰
1.蓮花山の信仰と花儿会 2.岷県の気候と生業
3.二郎神について 4.湫神信仰と観音信仰
5.神花儿
四 文芸に向かう歌掛け ―中国雲南省白族の歌会を例に―
1.剣川県石宝山宝相寺境内における歌会 2.白族対歌の音楽性
3.日本の俗謡との比較 ―瞽女唄を例に― 4.白族対歌の文芸性
五 辺境の異民族交流と歌垣 ―筑波山の歌垣―
1.歌垣研究史素描 2.〈歌ことば〉としての妹と背
3.古代以前に歌垣をさかのぼる 4.村落共同体と外部世界
5.渡来民の歴史 6.民族接触による歌掛けの発生説
7.筑波山の歌垣と市 8.歌掛けの歌の自由さ
六 万葉集の相聞歌と歌垣
1.第三波後半の渡来民と和歌の成立 2.歌垣の歌の形式 ―清寧記・武烈紀に見る歌垣― 3.嬥歌
4.歌垣の歌 5.万葉集の相聞と歌垣における遊戯性 6.歌掛けのなかの虚構の恋歌
七 甘粛省洮岷花儿取材演唱歌詞資料
第1章 草木言問う世界 ―序文にかえて―
第2章 泣くことの歴史
第3章 太郎冠者と狂言の笑い
第4章 鬼と風説 ―『徒然草』第五三段 ―
第5章 天狗の首魁 ―崇徳院と西行―
第6章 〈見る〉ための装置 ― 能『葵上』の舞台構造 ―
第7章 物語の光と闇 ―『源氏物語』管見 ―
第8章 悲しい道化 ― 清少納言 ―
第9章 戦場の父 ―『平家物語』の熊谷直実 ― 付:冥婚譚 ―琴弾山の話―
第10章 信義と友愛 ―上田秋成作「菊花の約」―
第11章 止められぬは我が心 ―近松門左衛門作『冥途の飛脚』―
第12章 子別れの物語 ― 悲劇の中の子供たち ―
第13章 狐妖譚
第14章 首の話
第15章 月と幻想
第16章 影と分身
第17章 視覚と近代文学 ―跋文にかえて―
▽読者の感想・・・・第1章について:「幼少期の話で、自分にも同じような体験があったのを覚えています。実家が農家だった私は、幼い頃よく兄弟と田んぼ沿いの川や林の中で遊んでいたのですが、木々や動物の言葉がわかるとまではいえないまでも、その風景と自分が一体化したような、今では到底持ち得ないような感覚を抱いていたような記憶があります。‥‥本文に〝人間は言葉を自由に操れるようになると、ものそのものを熟視することなく、観念でものを見るようになる。〟とあったのが一番印象に残っていて、実際、自分にも当てはまることがあると思いました。」(2018)
第一章 「日本」とは
第二章 「文化」と「文明」
第三章 日本文化の基層
第四章 日本的心情
第五章 伝統芸能
第六章 茶の湯
第七章 音楽文化
第八章 信仰と宗教
第九章 自然観
第十章 美意識
年配の読者から次のような感想をいただきました。
「いつも本を読んでいて気になったところは付箋紙を貼り付け、もう一度読み直すことにしていますが、第8章だけでかなりの枚数を貼り付けました。振り返ってみると若い時にこの第8章だけでなく日本文化入門を一通り系統的に勉強していれば、その後の文化・芸術などを見る目もまったく違ったのではないかとあらためて感じました。私のように還暦過ぎまで生きてきたから身についた隙間だらけのバラバラな知識を整理して補うことができたことが収穫でした。」
序 〈覗き眼鏡〉と〈のぞきからくり〉
第一章 西洋製光学器具の受容と〈覗き眼鏡〉
第二章 覗き見の装置と遠近法絵画
第三章 江戸時代中期の〈のぞきからくり〉
第四章 江戸時代後期の〈のぞきからくり〉
第五章 近代の〈のぞきからくり〉
第六章 中国の〈のぞきからくり〉―拉洋片 ラーヤンピエン―
中国語・英語分の要旨
昭和初期のことと思われるが、詩人であり、歌人であり、評論家だった相馬御風の随筆に瞽女唄について次の
ような文章があった。「瞽女のうたつて歩いた唄を昔からずつと保存
してあつたら、それにもさぞいろいろな面白いことを知ることも出来、
味ふことも出来、考へることも出来たのであらうが、それが殆んど全
く伝はつて居ないのは残念である」(「緑蔭閑話」)。さいわい二十
世紀の後半に最後の高田瞽女の親方と長岡瞽女がこれを伝えていて、
教育委員会の文化財調査によって今日に伝わることになった。本書
はその音源から文字起こしした歌詞を載せる。新潟県の高田瞽女と
長岡瞽女が伝承した段物や口説を文字化し、それらの瞽女唄を考察
したものです。
〈本書の内容と執筆者〉
Ⅰ 文化圏から見た新潟県
第1章 食文化圏(本間伸夫)
第2章 方 言 (福嶋秩子)
【資料解説】江戸の旅人が聞いた越後の方言
Ⅱ 稲作農業地帯の風土
第1章 千町歩地主と越後の農民(本間恂一)
第2章 新潟県の稲作とコシヒカリ(板垣俊一)
【資料解説】蒲原低湿地の稲作農業 ―亀田郷土地改良区発行『亀田郷の昔語り』より―
Ⅲ 北前船の時代と海運・水運
第1章 信濃川と湊町新潟(伊東祐之)
第2章 海運と民謡 (板垣俊一)
第3章 北前船時代のニシン漁(武田 淳)
【資料解説】河川交通が盛んだったころ
Ⅳ 佐渡の歴史と文化
第1章 佐渡金銀山と島民の生活(本間恂一)
第2章 芸能・流人・本陣山本半右衛門家の歴史(山本修巳)
【資料解説】佐渡の廻船と松前交易
Ⅴ 雪国の風土と文化
第1章 鈴木牧之と『北越雪譜』(高橋 実)
第2章 地域の食材と郷土料理(佐藤恵美子)
【資料解説】三国峠
Ⅵ 地域と交流
第1章 地域と郷土芸能(板垣俊一)
第2章 町屋と人形さまの町おこし(吉川美貴)
小冊子ですが、新潟県の能生白山神社の春季大祭における境内がいかに興味深い祝祭・演劇空間を創り上げているかを考察した冊子です。
次のような章から構成されています。
1 寺院芸能としての舞楽
2 天王寺舞楽との関係
3 能生白山神社春季大祭の概要について
(1) 春季大祭の規模
(2) 大祭に関わる地域とその役割
(3) 大祭の維持運営
4 神仏習合時代の祭礼と白山信仰
(1) 白山・石動修験と白山権現
(2) 修験と薬師信仰
(3) 白山神社と海の信仰
5 祝祭の日に生まれる演劇空間
6 童羅利と稚児
7 立ち顕れる神〈陵王〉
〈付記〉江戸時代における能生白山神社大祭過程の概要
近世の演劇や物語の典拠となっている通俗史書『前太平記』の校訂原文です。平将門の乱、藤原純友の乱、源頼光の酒顛童子退治、安倍晴明伝説、安倍貞任・宗任 の反乱などを軍記物語風に語るおもしろい読み物です。
「源家濫觴事」「多田満仲誕生事」から始まり、「為義武勇事」に終わる
全四十巻の仮作軍記。